2010年3月11-14日にかけて行われた、JBC シリコンバレー・バイオツアーの参加者からのレポートです。
ここに公開するのは全体を通して、「無記名でJBCのウェブにも載せるので、世の中にシェアできること、したいことを書いてください」 というお願いに対して書いていただいたものです。ちなみに個々のセッションについては、詳しく書いてもらったものをフィードバックとして、それぞれのスピーカーやパネリストにお送りしています。
JBCツアーのスピーカー/パネリストの中には、諸事情によりお名前を出せない方も複数名いらっしゃるため、残念ながら具体的な内容は公開できません。ただしスピーカーの一部はこちらで公開しています。詳細な内容を知りたい方はぜひツアーにご参加ください!といっても次回やるかどうか決まっていませんが・・・。
さてレポートへのリンクはこちら(PDFファイル)になります。レターサイズで10ページあります。左クリックで開くはずですし、右クリックで保存(ダウンロード)されてからお読みいただいても結構です。1万4千字あまりのボリュームですが、一応文末にもペーストしておきます。
ちなみにフィードバックのトータルは、レターサイズで126ページに渡り、16万字超ありました。とにかく書いてくださいとお願いしたこともありますが、参加者ひとりひとりがツアーでたくさんのものを得ていただいたことが、これだけの分量のフィードバックにつながったのかなと、主催者として嬉しく思っております。
ツアー全般に渡るレポート「JBCバイオツアー2010に参加して」
参加者1
私のこのツアーへの参加目的は、シリコンバレーにおける新薬の研究開発(R&D)の現場を見て、なぜシリコンバレーで多くの新薬が生まれているのかを知ることだった。今回のツアーでは、低分子化合物と抗体医薬のR&Dの現場を見学させて頂き、また、R&Dに関わる研究者の方から、大変有益なお話を伺うことができた。
また、実際にシリコンバレーでのR&Dに関わる研究者の方からのお話は、これからこの地で研究者を目指す大学院生のみなさんにも役立つだろうと感じた。
参加者2
大して長い人生を生きていないが,今までにない程内容の濃い3日間を過ごした.今まで,部活の合宿など密度の濃いイベントはいくつか経験してきたが,このツアーはそれらとまた決定的に何かが違った.ツアー名にバイオとあるが,内容はバイオに限らず多岐に渡っていて,多様な価値観とバックグラウンドを持つメンバーもいるし,スピーカーやパネラーについても同じ事が言えた.しかし,多様だからといってバラバラではなく,共通する何かの精神によってツアー全体がコンパクトに纏まっているのが何とも不思議なところであった.また,一連の物事がシリコンバレーの“現場”で行われる事による触媒効果もあり,これがまた今まで経験してきたイベントとの違いを際立たせた.自分にとっては人生の価値観を広げる大きなチャンスであって,pricelessの本当の意味がわかるような体験ができた.バイオにバの字の一画目位しかバイオに関わっていない人でも,参加する姿勢さえあれば,今までにない新たな発見ができる事は間違いない.
参加者3
「シリコンバレー」バイオとITの情報の集積地、そしてベンチャーが生まれる場所だ。私がこのツアーに参加した目的は2つで、1つは、「バイオ、IT双方のベンチャービジネスが次々生まれ成功しているこの地で、この2つをつなぐどんな新しいビジネスが生まれているのか知りたい。」という興味。そしてもう2つめは、「この中で大学が果たしている役割は何なのか、日本とは何が違うのかしりたい。」という願望だった。
そこで、私がこのツアーに参加して感じたことを以下の3つの観点から述べたい。
1)バイオとITが融合したビジネス動向について、2)大学の役割について、3)JBCバイオツアー2010について
1)バイオとITが融合したビジネス動向について
バイオにITが活用されている場面は主に次の3つに大別される。1)実験結果を統計解析する手段としてのIT活用、2)既存の実験結果から役立つものを探し出す手段としてのIT活用、3)生命現象そのものを再現(シュミレーション)する手段としてのIT活用。これらは既に、国家プロジェクトとして日米問わず世界中で研究が進められている。
今回のJBCバイオツアーに参加した結果わかったことは、まだまだこの領域は聡明期にあるということだ。うまくいけば大きなビジネスになる可能性があるだろう。(ちなみに、この領域で面白いベンチャーとして紹介された23andMe にはGoogleが出資している。)
2)大学の役割について
シリコンバレーでは大学はイノベーション組織機能を担っているようだ。私は日本のTLOは大学でできあがった特許を企業に販売するという方針をとっていることが多いという印象を持っている。マーケティングの観点から考えると、日本のTLOはプロモーション型、シリコンバレーの大学はリサーチ型と区分できるかもしれない。それぞれにメリット・デメリットが存在するが、バイオ産業のように多額の研究開発費かかる業界では、リサーチ型のマーケティングが効率的ではないかという印象を持った。
更に、産学連携に関しては情報交流だけでなく、人財交流が活発であるという印象をもった。アカデミック→産業への人財移動は当然だが、産業→アカデミックへの人財移動の動きも出てきているようだ。これらの人財交流がシリコンバレーにある大学のリサーチ型研究開発を可能にさせているのだろう。
3)JBCバイオツアー2010について
私がJBCバイオツアー2010について参加した動機は、上述の通り、1)バイオ、ITのビジネス動向を知ること、2)そのなかで大学の役割をしること。の2点だった訳だが、この2つの目的はほぼ達成できたと思う。しかし、私にとって一番の成果は「地に足をつけた事業を行っていく腹づもりができたこと」だ。当初の目的とは違うが、先送りにしていた重要な課題が解決できて本当によかった。
最後にこのツアーに参加するかどうか迷っている方へ。
「JBCバイオツアー」一番のお勧めポイントはバックグラウンドが多様な他の参加者がいることです。私のようにシリコンバレーに何の繋がりが無い人がシリコンバレーの内部事情を知るためにもとても有益ですが、個人(会社)の人脈を使ってこういった視察を自分で設計することが可能な人にもお勧めします。私は他の参加者から本当に沢山のインスピレーションをもらいました。
参加者4
JBCバイオツアーの醍醐味は、何といってもシリコンバレーを丸ごと体験できる事につきる。
まず、シリコンバレーそのもの。これはツアーのレクチャーでも再三にわたり指摘されたことだが、研究リソース(シーズ&研究者)と研究資本が一体となってダイナミックな活動を続けるシリコンバレーという土地・環境は、まさに一見の価値あり。新旧・大小様々なラボが整然とかつ乱立しており、この地域のパワー(=新陳代謝)を感じることが出来るだろう。次に、シリコンバレーで働く人。ここで働いている人たちは、アカデミック・カンパニー問わず、やはり未来志向という雰囲気がある。そういう雰囲気があるからここに着たのか、ここに来るとそういう雰囲気になるのか、実際に自分の目で見て確認して頂きたい。いずれにしても、所変われば人の思考回路も変わるものだということが実感できると思う。最後に、現在・過去・未来、成功している人、成功した人、成功を目指している人と、これほどまでに、濃密な時間を共有することは得がたい経験である。まさに、パワースポット並みの効果があるだろう。
ちなみに、ここで言う「成功」とは人それぞれの目標があり、それぞれの目標を達成することが「成功」なのだと、頭でなく肌で感じることができるのも、このツアーの効果であろう。
参加者5
今回、本ツアーにアメリカバイオテックに関する情報収集を目的として参加した。ツアー参加時点で、当参加者は日本で学位取得後、アメリカカンザス、ミズーリの州境に位置するストワーズ研究所で分子生物学研究に従事するポスドク満3年という状況であった。ツアー参加者17名の内、大学院生以下の学生の方が5名で、他の方はポスドク、社会人等であることもあり参加者の内年齢的には上から第2集団辺りに位置していたと思う。
目的である情報収集について、現実としてバイオテックに対する就職活動及び、その後のバイオテック或いは他業種でのExective若しくはトップ研究者を目指すといったキャリア形成において必要な情報か否かという点を一つの評価軸として情報の取捨選択を行った。この点では日本で就職活動を始める大学生が行う企業研究及び訪問と概念的には同様であろう。結果としてツアー前に抱いていたいくつかの疑問点は全て解消し、少なくとも心理的にはバイオテック就職活動にReady to goという状態でツアーを終えた。インターネットが普及した現在、ビザや、企業の研究内容、人員募集状況、就職活動の内容といった一般的な情報はすぐに手に入り、同じアメリカとはいえ現地にまでわざわざ出向く必要は全く無い。それでも尚、個人毎に置かれている心理的、物理的状況は大きく異なり、それぞれのベストなpathwayのための情報を得ることは容易ではない。本ツアーでは最近にバイオテックに就職した研究者の方から既にEstablishされた起業家の方までと多彩なプレゼンター、パネラーのTalk及びDiscussionを通して豊富なケーススタディ及びその情報を頂くことが出来た。情報収集という点に関しては不満に終わった点は全く無く、不安無く就職活動或いはその準備へと進むことが出来た。
個人的にはいくつかのEstablishされた方のTalkの内わずかな部分は自己啓発セミナーに重なる部分があったと思う。これは一般化した話をする場合には不可避であり、仕方の無いものだとは思うが、事前準備を十全に行い自らのベストを模索する段階においてはやはり不必要なものだと感じた。同様の理由で、アメリカは自由、才能を伸ばす、日本は閉鎖的で閉塞感一杯という議論にも興味は持てなかった。
それでも尚多彩なプレゼンター、様々なスタートアップベンチャーの見学、異なるバックグラウンドを持つ参加者らによってカバーされるものは、単にバイオテックに限らずビジネス、社会貢献活動等にまで及ぶ非常に広範囲に渡るものであった。そのため、これから本ツアーに参加を考えている方達にとって、ただ漫然とシリコンバレーに興味、関心があったからというだけで参加しても多くの刺激と情報を得られると思う。そしてツアー後に興味を持った対象に対して更に研究を進めることが出来れば、その後のキャリアのみならず人生に良い影響をもたらすことが出来るのではないだろうか。
参加者6
本ツアーは、サンフランシスコの爽快な空気に包まれながら始まりました。事前のスカイプミーティング及び皆様のプロフィールに目を通していたこともあり、オーガナイザーや参加者の方々に初めてお会いした際、以前からの知り合いのような懐かしいような気持を抱きました。
バイオテック、インキュベーション施設の訪問は楽しみにしていた企画の一つでした。オーガナイザーの方々が勤務されている企業を実際に訪問して、目の当たりにした大学の研究室程度の大きさの部屋、クリーンで整然とした研究環境、そこで楽しそうに働くサイエンティストの方々。この経験により、日本のバイオテックすら訪問したことがなかった私は、これまで敷居が高かったバイオテックに対してより親近感を抱けるようになりました。また、レイオフの体験談を伺う機会もあり、そのような状況下にあっても同僚とユーモアを交えたトークで笑い合うような雰囲気であったことを知りました。スタートアップ企業を取り巻く厳しい現実を知ると共に、前向きで爽快なSVの風土を見た気がしました。
パネリストの方々は起業家、コンサルタント、サイエンティストなど職業も様々でした。皆さんの情熱、前向きな姿勢、そして類い稀なその行動力に圧倒されました。日本の企業が置かれている状況をなんとかしたい、技術を通じて社会貢献したい、日米企業の架け橋になりたい等様々な目的を持ってSVに赴き、一般の日本人なら経験しないようなキャリアを経て揺るぎない実績をあげられました。まさに開拓者、イノベーターと呼ぶに相応しい方々。皆さんのお話から、私の心に共通する一つのメッセージが響いて来ました。それは、「やればなんとかなる。重要なのは問題意識を持つ事」。その熱い思いに触れ、エネルギーを頂いた気になりました。私は最近まで、自分の仕事が将来世の中の役に立ち得るのかと疑問を抱きつつも、日々の生活で一杯という状態にありました。それゆえに、もう一度考えてみよ、と背中を押されたようでした。印象的だったのは、皆様から将来日本にフィードバックしたいという思いも感じ取れたことでした。SVに来て成功され、思考も完全にアメリカナイズされてしまったのではと思いきや、日本を見捨てておられなかった。その事実に安堵したというか、嬉しい気持になりました。
今回の参加者の方々は、バックグラウンド、職業、年齢、参加目的等が様々でした。それゆえに興味、問題と感じる点等が私とは全く異なっていたことが興味深く、今までとは別の視点に立った物の見方を学べ、いい刺激となりました。特に、若い学生の参加者の方々の意欲、興味のある事柄に対するひた向きな姿勢、日本の大学教育に危機感を抱くなどの問題意識等には脱帽しました。若い頃の私には到底できなかったことです。現在の無気力で安全志向の強いと言われる若い世代(これも情報操作の産物であるかもしれないが)の中に、このような方々も存在することを知り、日本の将来も捨てたものではないと希望を抱く事ができました。
私の本ツアーへの参加目的は、アカデミア以外の業界について見識を広げることで、将来の進路の方向性を探ることでした。実際にツアーに参加して得た大きな収穫は次の三点でした。
1. バイオテックへの就職が将来の選択肢の一つになる。
私の職歴上、企業への就職は簡単ではないかもしれませんが、アプライするのはただなので、行きたい所が見つかったら応募してみようという気になりました。もし経験してみて合わなかったらやめればいいだけの話です。行動を起こさずに将来について深く考えすぎても何も分からないし、出て来ないのです。
2. 将来を考える上でのオプションが増える。
オーガナイザー、及びパネリストの方々の多様なキャリアパス、その道を選択するに至った経緯、考えを知り、考えようによっては選択肢はいくらでも見つかるものだ思わされました。社会貢献という観点、戦略的なキャリアアップ思考からやりたいことを見つけていくという考え方も、新たなオプションとして加わりました。このことにより、より進路が明確になった訳ではなく、寧ろ考えるべきことが多方面に及ぶ事に気付かされました。
3. 元気を頂く。
オーガナイザー、パネリスト、及び参加者の皆様の情熱、前向きな姿勢に触れたことで、最近元気を失いかけていた自分自身が初心に戻った気がし、私も頑張らないとという気になりました。
最後に、何と言ってもこのツアーで得た貴重な経験は、オーガナイザーの皆様のボランティア精神無しにはあり得ませんでした。まるで合宿のような過密なスケジュールの全ての行程が無事に進行したのも、周到に準備してくださった御陰です。まさかここまで親切に、且つ熱意を持ってサポートして下さるとは思いもよらず、感謝の気持で一杯です。ツアー自体はバイオテック関係のみに重点を置いておらず、スタンフォード大学訪問、様々な職業のパネリストによるトーク等、バランスの取れた構成となっていたのも魅力の一つであったと思います。また、これだけ多様な職種、考え方を持つメンバーを受け入れているJBCの懐の深さにも感心させられました。後半には疲労で口唇ヘルペスを活性化させてしまいましたが、参加せずに一生を終えることをせず本当に良かったと思えたツアーでした。将来の進路に留まらず、人生全体についても考えさせられました。今後は、ツアーで学んだ事を糧に、自ら選ぶ道を信じ前進して行きたいです。
参加者7
まずは今回このツアーに参加して経験できたことを箇条書きにしてみました。
(1) バイオテックを見学できる、働いている人たちの話を直接聞ける。
通常なかなか難しいバイオテックを隅々まで見学することができます。またそこで働く方々のお話も聞けますので、バイオテックで働くことを肌で感じることができると思います。
(2)バイオ系だけでなく様々な分野で活躍されている日本人の方の話を聞ける。
同じくこちらに暮らしていたとしてもそう簡単にはお会いできない方々のお話を聞くことができます。様々な分野で活躍されている先輩方の貴重な経験談や、海外から日本を見る目を通じて得るものはとても大きいです。日本では触れることができない世界を知ることができると思います。
(3)参加者との意見交換を通じて幅広い視野を持てる、及び新しい人間関係の構築ができる。
このツアーに参加される方々は皆ある程度同じ興味・目標を持っています。それでいて各々異なるバックグラウンドを持っているので、同じセッションに対して自分と違った見方や考えをしています。そのような参加者の皆さんと深く話し込むことにより、自分が気づかなかったことを数多く学ぶことができました。懇親会は毎晩遅くまで盛り上がり、雑談も含めいろいろなことをじっくり話し合うことができました。これもこのツアーの大きな意義の一つだと思っています。
(4)オーガナイザーの方々と深い話ができる。
オーガナイザーの方々もベイエリアで活躍されています。夕食後の懇親会などでじっくり話し合ったり、質問をすることでより多くの情報を得られます。人生の先輩として人生相談などもさせていただきました。また、このツアーにはボランティアで協力して下さる方達もいらっしゃるので、それらの方々とのお話もとても実りあるものでした。
(5)ベイエリアで暮らす・働く雰囲気を味わえる。
バイオテックを始めとした会社やスタンフォード大学の見学、バスでの移動を通じてベイエリアで生活する雰囲気を味わえます。(もちろん3日半の滞在なので、見ることができるのは限定的です。スーパーマーケットを見たり、ダウンタウンに行くなど、より生活面に触れたければ前後泊する必要はあります。)
このツアーは、シリコンバレーは素晴らしい、是非来た方が良い、ということを訴えるのが趣旨ではありません。日本にいてはなかなか知ることのできない世界がここにはある、視野を広く持つことでいろいろな選択肢が見えてくるのだ、ということを学べます。もし海外で働くことに興味がある、どんな世界か触れてみたい、選択肢を増やしたい、と考えている方にはお薦めできるツアーだと思います。実際に来て、現地で働く(主に)日本人の方々と話し、空気を肌で感じることによって見えてくるもの、得られるものは日本にいては決して体験できないことだと思います。
私自身はここベイエリアでポスドクをしており、バイオテックに興味があったことからこのツアーに参加しました。現地に住んでいてもまず味わえないような素晴らしい経験をすることができましたし、参加者の皆さんやオーガナイザーの方々と有意義な交流をすることができ、濃厚で価値ある3日間を過ごせたと感じています。
参加者8
実質3日間のツアーであったが、内容は非常に濃いものであった。次から次へと現地で活躍されている方々から興味深い内容をinputされるので、消化しきれないほど。あと2, 3日あってもよいぐらいでは?と感じたぐらいであった。特にセッションが終わった後に個々でスピーカーの方と直接お話できる時間が非常に有意義であった。また参加者が年齢、所属先、興味の方向など良い意味で幅広いので、各セッションにおいても切り口が異なる質問も多く、自分が想定していなかったような様々な情報を得ることができた。ツアーの運営についても非常にオーガナイズされており、心地よく時間を過ごすことができた。紙ベースで文字を読むだけでなく、実際に現地を訪れ、自身で聞いて、感じることの重要さを改めて感じたツアーであった。
参加者9
アメリカ・サンフランシスコベイエリアは私にとってあこがれの地でした。これまで特に知り合いもおらず、そのため訪れる機会がなく残念に思っておりましたが、今回メンバーに加えていただけたことによって一挙にベイエリアのバイオテックについて最新の情報を得ることができました。このツアーでは関係者以外なかなか訪れることができないバイオベンチャー企業および大学をたくさん見学することができました。日本で得られるアメリカのバイオ系企業、大学の研究機関の情報はまだまだ少ないので、実際に現地で見学できたことでまさにことわざ「百聞は一見に如かず」を実感しました。さらに通常アポを取るのも難しいであろうベイエリア在住でご活躍の日本人著名人の方々のトークセッションが連日しかも複数企画されており、その内容には毎回感銘を受けました。またツアー中にお会いした日本人ポスドク、研究者の皆さんからは懇親会でお話させていただくことで、世界中から集まった超一流の人々に伍してアメリカで研究を続けていくことの大変さとダイナミックさ、面白さを伺うことができました。個人での旅行による訪問では正味3日間という短い期間でこれほど多くの方々とお会いし、知識と体験を得ることは難しいと思います。このようなプログラムはこれから留学やアメリカで働くことを希望している大学生・大学院生の方々にとっては大変参考になり役立つはずです。そしてなるべく若いうちに参加されることを強くお勧めします。
これまでシリコンバレーには、どこよりも有望で新しい技術がどんどん生まれてくる場所ゆえ無機的で冷たく厳しい場所という一方的で勝手な先入観がありました。実際来てみますと最先端技術が次々生み出される背景には、選ばれた優秀な人がほかの優秀な人と織りなす人間関係があり、それが技術発展の力となっているということに気付かされました。シリコンバレーはその素晴らしい自然環境および生活環境に加えて、多くの素晴らしい人が在住していることによって、さらによそから才能ある人が引き付けられ集まってくる地であったのです。
この素晴らしいツアーはJBCオーガナイザーの皆様、ゲストスピーカーの皆様、ボランティアの皆様の時間と労力の提供があって成り立っているものです。皆様のご気持に今後微力ながらもどうしたら応えていけるのだろうと帰国後考えております。
今回ツアーをご企画いただいたJBCオーガナイザーの皆様には深く感謝申し上げます。
参加者10
私はシリコンバレーのバイオベンチャーと大学の技術移転との関係に興味を持ち今回のツアーに参加しました。ツアー前のskypeミーティングで、スタンフォード大学のOTLがビジター向けのミーティングを無料でやっているとのことで、アポイン トを取り、そちらにも参加することが出来ました。OTLのミーティングのために、現地入りがバイオツアー1週間前となりましたが、お陰でスタンフォード大学にも2度も行け、タワーに上ったり、キャンパス内を走る無料シャトルにも乗ったり、ショッピングモールにも行ったりと、楽しむことが出来ました。OTLのミーティング後は北米在住の友人とサンフランシスコ観光三昧にすることにしていました。2月末にはスタンフォード大学で開かれる公開セミナーの情報提供 もたくさんあったのですが、そちらには参加せず、サンフランシスコ観光を楽しみました。
バイオツアーでは、学部生や大学院生も多く、私自身もっと若いときにこのようなツアーに出 会っていればと思いました。その反面、今だからこそこれだけの実感を伴って話を聞くことができたのかもしれない、今だからこそこのツアーに参加しようと思ったのかもしれないと思いました。このツアーに参加したきっかけは梅田望夫さんのシリコンバレーツアーに参加した友人が「人生への考え方が変わると思う。あなたなら、行くべきだ。」と言われたのがきっかけです。シリコンバレーツアーとバイオツアーの違いはあれど、人生への考えを変えるには十分な3日間でした。
今、これを読んで参加を考えている方がいたら、考えるだけじゃなくて実際に参加すべきだと思います。考えるだけではなく、行動に移したほうがいいと思います。バイオツアーでは、日本で本やネット、人から伝え聞いた話では実感できないようなお話をたくさんうかがうことができました。やはり実際そこに住んで働いている人のお話を伺うのは、本やネットで情報にふれるのとは違うものがありました。具体的になぜ行くべきなのか、何が私の人生を変えるのか、明確に答えることはできないのですが、シリコンバレーで実際暮らす方たちの実際の話を聞いて、そのエネルギーや生き方に少しでも触れたことがそうさせるんだろうと思います。日本で暮らしているのとは異なる暮らしや会社、アカデミアの現状に触れて、参加する前の自分自身の考えとは確実に何かが変わったと思います。今まで居たところから見る風景と、頂上からみた風景は全く異なります。今回のツアーで頂上まで上りきったわけではありませんが、少なくとも頂上に登ろうとする過程の、今いる場所より少し上から風景を見ることができると思います。
参加者11
私が、このツアーでいろいろな方とのお話を通して得え答えは、あまりごちゃごちゃ考えずに、自分のやりたいと思うことをやるべきだ、ということでした。こちらで成功されている方々は、自分にとって何が重要なのか、何が重要でないのかという価値観がはっきりしている人が多いと感じました。自分の大切なもののためにがむしゃらに働けるから大きな成果を挙げることが出来る、好きなことをやっているから皆活き活きとしている、と私は解釈しました。私自身は将来に対する不安などで、価値観が揺らぐことも多いですが、海外で研究者としてやっていくことが第一の目標なのは間違いないです。まずはこの目標が実現できるように行動しようと決めました。このツアーでは、スピーカーや参加者にアメリカの大学でポスドクをしている方が多く、研究室の選び方やアプライの仕方などアドバイスをいただくことが出来ました。ここでいただいたアドバイスを活かして、自分の目標を達成できるよう努力していこうと思います。将来に不安を持っている研究者志望の学生はぜひ一度、シリコンバレーに来て見るべきだと思います。私は、将来に対する不安がなくなったわけではありませんが、かなり勇気づけられ、何をすべきかが明確になりました。
参加者12
■全体所感
・ 好きなことをやる
・ 正しいと思うことをやる
・ 夢を心に抱いてがんばる
・ たまにこけてもまだ次がある
・ 何よりも、朝起きると太陽の光が元気にしてくれる
意外に難しいこれらのことがちゃんとできるシリコンバレーはチャレンジをしたい人にとってはとてもすばらしい所だなと素直に思いました。
僕自身も何かに思い切ったチャレンジをしようと思っておりますので、
何時の日か(できれば近いうちに)オーガナイザーの皆様、お話くださった皆様、そして参加者の皆様に、良いrご報告をできるようにがんばりたいと思います。
■これから申し込む方々へ~参加して得られること(僕が貴重だと思う順)~
人々の日ごろ感じていること/考えていること/空気を体感できる
・ シリコンバレーで生きる人々がどんなことに喜び、どんなことを気にかけるかを肌で感じることができるため、実際にそこで生活をした時のイメージが湧く
人のつながりができる
・ 日本にいてはなかなか知り合えない方に出会える×基本的に皆さんが何かを伝えようとしてくれる
生の情報を手に入れられる
・ シリコンバレーそのものについての情報(歴史、ビジネス、サイエンス、生活環境など)
・ こちらで生き抜くための知恵(ビザの取り方から様々なキャリアパス、ライフスタイル)
参加者13
シリコンバレーという地の第一線で活躍している方の話しを聞くことができて、日本では得られない刺激を多く得ることができました。技術の実用化に向けて目まぐるしく変化している現場を見て、日本の常識だと思っていた事が世の中の常識ではない事、イノベーションにおける個人の力の大切さなどを実感する事ができました。
ショック療法ではないけど、最先端の現場の刺激的な話しを多く聞く事で、自分を考え直して見たかったら、是非応募し自分の想いをエッセーにぶつけてみて下さい。
参加者14
今回のツアーの醍醐味は、なんといっても複数の現地バイオテック企業への訪問とバイオテック企業で働いている数多くの日本人研究者の方々と話しができることであると思いました。普段は立ち入れないバイオテック企業の研究室のラボツアーや、そこで働く研究者の方から直接話しを伺える機会はめったにあるものではありません。また、弱冠20歳前後の志の高い意欲的な学部生~企業人まで様々なバックグラウンドをもつ幅広い方々の参加があったことが、より有意義で闊達なツアーの雰囲気を醸し出したのではないかと考えています。仕事や学会で西海岸へ行っている方々も多いと思いますが、バイオテック企業に勤める現役研究者との対話を通じ、新たな経験をできる場として大変貴重なツアーであり参加しなければ良さは実感出来ません。
参加者15
今回のツアーは私の人生を大きく変えました。「自分が他の参加メンバーに対してどのような貢献ができるか」という応募エッセイを考える。それが全ての始まりでした。自分は決して高学歴ではない一専門学校生であり、何か特別な技能があるわけではない。そういった状況で応募エッセイ作成から約3ヶ月にわたる準備、そしてツアーを通して、自分と一対一で向き合ってエッセイのテーマを常に模索してきました。そうして以前の自分では考えられない行動力を発揮することができるようになり知的好奇心をかりたてられる場に積極的に参加したことで、ネットワークと活動範囲、そして自分の可能性が一気に広がりました。ところが動いても動いてもやはり不安、初めてのアメリカ、一人行動あり※。(※私の場合ツアー前にJBCコネクションで個人的にスタンフォード大学等に訪問しています。ツアー自体には一人行動は含まれません。)しかし結果的にアメリカに行ってみたらとにかくエキサイティングな世界が待っていてホームシックはゼロ。むしろ日本に帰ってきた後アメリカシックになってしまいました(笑)。このツアーに参加してアメリカという世界を見てきて、自分の抱えていた学歴コンプレックスなど色々な悩みがいかにちっぽけなものかがよくわかりました。そして自分の経歴を逆に強みにすることができる環境がそこにありました。むりやり押し込めなければならなかった思いや熱意をここでは当たり前のように受け入れてくれる。笑顔で応援してくれる。私は嬉しくて何度も涙を流しました。私にとって必要だと思った場所はたまたまここでした。もちろんこれを読んでいるあなたは違うかもしれません。ただあなたにとって最適な土壌は日本だけではないということを知って下さい。しかしそれは日本に留まっていたら一生わかりません。一度日本の外に踏み出してみてください。きっと何かヒントがつかめるはずです。そしてこのツアーではかけがえのない出会いや体験が待っています。しかしそれは受身の姿勢では得られません。このツアーを機会に自分と真剣に向き合って自分をよく知り、自分の方向性を明確にしてください。他人に振り回されてはいけません。「自分」をしっかりと持ってください。そうすればより素晴らしい交流や経験が出来ると思います。最後に一言。強い目的意識を持って自分の軸をしっかりと持ち積極的に動けば道はいくらでも拓けます。これを私はツアーに参加して教えてもらいました。私と同じ学部生の皆さん、是非このツアーに投資してみてください。きっとその対価は何百倍、何千倍になって今後帰ってくることでしょう。
参加者16
【ツアーが私に与えてくれた事】
私はこれまで日本から外に出た事もなく、海外で学ぶ、働くという選択肢は自分の中には存在しなかった。
しかし、アメリカの価値観や考え方に触れられた事、実際にアメリカで学ぶ方、働く方の生の声が聞けた事で、
「アメリカ」という選択肢が実現性を帯びつつ見えてきた。
さらにシリコンバレーで働いたり、留学したりされている日本人の話を聞けたことで、日本を外側から眺める事ができた。
そして、御幣を恐れず言えば、別に日本に居続ける必要がないことも分かった。
例えば、学ぶ事、働く事を考える時、日本にいれば普通は日本国内での事を考えるだろう。
それは日本に居続ける限りそれは当然の事なのだと思う。
しかし、自分が学ぶ、働く、さらには生きる環境の候補が日本以外の場所で見つかる(かもしれない)という意味で、一度海外という選択肢の存在を知る事も必要なのではないかと思う。
しかし、海外で生活するなんてハードルが高いと考えるのが、普通である。
私も、海外なんてきっと自分よりも何倍も凄い人がやっと行けるような環境だから、自分には無理だ!とか「根拠の無いままに」そう思っていた。
しかし、無理だと思う事は、何も生み出さない。
私がアメリカで出会った方々は、常に自身を動かせるだけのモチベーションを持って活動しておられるように見えた。
それは、物事を最初から無理だなんて決めつけず、ただ、行きたい、行ってみようと思い行動を起こしたという事なのだと感じた。
さらに、その事自体が私のモチベーションの一つとなった。
ただ行きたいから行く。仕事、勉強、それ以外の面に関しても、より生きやすい環境を求めて行く。研究がしたくて行く。
自分を行動に移せるだけのモチベーションであれば、そのモチベーションはどんな形であっても良いと思う。
常に前を向いて活動されている方の姿を見て、何かをやりたいという気持ちがとても大切なのだと実例を以て知ることができた事は、留学する事に限らず人生全般にとって影響を与えうる刺激となった。
このツアーは、「根拠の無いままに」アメリカなんて行く事が出来ないと思っていた事を気付かせてもらい、さらには「行ってみたい」というモチベーションが生まれた。そんなツアーであった。
また、アメリカ、特にシリコンバレーでの考え方や価値観について、肌で知れる、生の声を聞くことができる機会は、自分の中の価値観を大幅に広げてくれたように思う。
参加者17
学部生、大学院の頃にこのようなツアーに参加できてればもっと良かったかもしれませんが、当時ならおそらく見えなかっただろう事もたくさんあったはずです。そういう意味で、社会人の人にも、考えようによってはお勧めできる内容でした。このツアーの特に良い点は、シリコンバレーの日本人コミュニティーの一部が垣間見られ、現地で働く日本人が何を考え、どう試行錯誤しながら生き抜いてきたのかということが、実体験をまじえながら聞けることです。これは、日本にいながらにしては、かなり難しいことだと思います。将来の選択肢に、シリコンバレーで働くというものがある人には、モチベーションをあげるためにも、現実の厳しさを実感するにもお勧めです。シリコンバレーのバイオベンチャーの実情については、日本で行われる各種セミナーや勉強会、帰国した人たちの体験談、Webサイトで読める現地のニュース等でも十分に分かる得る事でしょうが、それ以上のことを体感したい場合には、このJBCバイオツアーは最適かもしれません。働く社会人として参加すると良い点は、仕事で忙殺されている毎日から解放されて、自分が今立っている位置と将来の方向性を再確認する機会になるということではないかと思いました。このツアーに参加して何を得るかは人それぞれでしょうが、どういった問題意識を持って望むかで見えるものが全く違うのではないかと感じました。